2009/03/14
WCT '09 第一戦クイックシルバープロ
毎年ゴールドコーストの恒例行事となっているWCTの第一戦クイックシルバープロが行われた。
今年は波のコンディション、天候が大きなキーワードになった大会だった。
先月27日から始まったこの大会は当初サイズ不足のためメイン会場のスナッパーロックスと隣の通称Dbahことデュランバービーチの2か所をコンディションに合わせて移動しながら行われた。
この大会で個人的にどうしても直接見ておきたかった選手がいる。
9回のワールドチャンピオンのケリー・スレーターだ。もちろんずば抜けた彼のサーフィンだが、先シーズンから使用している、彼自身がデザインしたと言われているラウンドノーズのQUADフィンのピンテール。事前に得た情報では5'4"前後のショートボードだという。
過去これ系の超ショートボードでWCTの大会に出たサーファーはあまり記憶にない。
期待通りそのQUADで登場したケリーだが、注目していたのはみんなも一緒だった。
ラウンド3ではワイルドカードでの出場のジュリアン・ウィルソンと対決したが、このヒートの時だけになんと数千人ものギャラリーがスナッパーのビーチを埋め尽くした。(去年のファイナルより多いギャラリーかも!?)
そんな中で行われたヒートだったが、最初から6点台後半の好スコアを出したジュリアンに対し、なかなかセットとタイミングが合わないケリー。
それでも後半、小さめの波だがそのラウンドノーズQUADでなかなか張ってこないショルダーでも超ショートボードを素晴らしいレールワークとコントロールで操り独特のルースな動きとそれでいてものすごい回転性とスピードで会場を沸かせた。
結果ケリーも6点、7点台を出すものの結局そのままタイムアウト。このラウンドでケリーは姿を消した。
その後のラウンドは波がほぼフラットな状態になりなかなかヒートを消化できずにいたが日程終了も差し迫ったころ今年初の台風接近によって一気にコンディションが変わった。
会場もスナッパーロックスからクーランガッタビーチに移動し、最終日は伝説のポイントともいわれるKIRRAで行われた。
実はいまKIRRAは人間の手によって異常なまでに砂がビーチを覆い尽くし、昔のようなスーパーウエーブはブレイクしなくなっている。ただ今回の大会はこのKIRRAを昔のようなポイントに戻そうという運動に賛同し、かなりジャンクなコンディションのKIRRAで強行された。
そのKIRRAで8フィート以上のスウェルが押し寄せる中、ローカルボーイのミック・ファニングとジョエル・パーキンソンとで行われたセミファイナルではパーコが5人のジャッジの内3人が10ポイントを付けた9.93に続きパーフェクト10を叩き出し、ファイナルへ出場した。
ファイナルでは自身初のWCTファイナル出場のブラジル人、アドリアーノ・ソーザとの対戦でもパーコの勢いは止まらず、ディープなバレルを連発し、最終的にはレイトテイクオフからそのままチューブに入りこれをメイクし完璧な10ポイントライドを見せつけた。
表彰式では初の2位入賞のアドリアーノと2006年のフランス大会以来2年ぶりのWCTでの優勝に喜びを隠せないパーコの姿があった。
今年のWCT、ケリーの10回目の世界チャンピオンに待ったをかけるのはパーコかもしれない!?